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47都道府県を全制覇する旅

017-3_岡山県/冬の刀剣祭☆その3 古代 de ハッスル&備後の快挙?! 江雪左文字を見に行ってきた(3泊4日)

さてさて。
最終日は、岡山&福山の刀剣を巡ります。
(福山は広島県だけど、ま、そこはついでってことでね、気にしないでくださいね……)


まずは、再びの岡山県立博物館へ。
12/23まで、「発掘された日本列島 2015」展が開催されています。
旧石器時代から現代に至るまでの「遺跡」の発掘品が展示されているのです。
しかも、岡山会場では、地域展示として「邪馬台国と吉備」「大地からの便り2015」が展示されるとのこと。


さとり、ふたたび。

これは……いくしかない……! というわけで。
今回の再訪となっています。


HNW48の馬(違)


こっちがHNW48(違)


そう。今回の展示は写真撮影OKなのです。
ガンガン行きますよー!


・上相遺跡・鍛冶屋逧古墳群(岡山県美作市勝央町

古墳時代終末期(7世紀)に、製鉄がさかんに行われていた古墳。
この二つの遺跡が、鉄生産と鉄器製作を行った人々の集落と古墳だと考えられています。
今回の目的の一つです。


すごい……剣だけじゃなくて、色んな鉄製品を作っていたようですね。

2本並んでいる刀剣は、奥が「鉄刀」手前が「鉄剣」となってます。


銀装円頭大刀

全体を銀で飾った大刀で、鞘のない状態で出土。
手で握る柄には銀の薄板を被せて刻み目を施した針金を螺旋状に巻き、円形に整えたその先端には銀の薄板を貼っています。
飾りのある刀は全国の重要な古墳から多く見つかっていて、この円頭大刀の持ち主も山陰を結ぶ交通網を掌握した有力者であったと考えられている。


倭国大乱と吉備


武装された弥生人


……の、鎧と盾。


鏃たち。

弥生時代の武器は石剣や石鏃なのですが。これはサヌカイト(讃岐岩)で作られているそうです。
盾は木製で、補強用の紐を通す小孔があります。
甲冑も木製の小札を紐で綴じあわせている構造で、表面に黒漆が塗られていたそうです。


銅戈

朝鮮半島から伝えられた、武器形青銅器。長い柄に取り付けて使われた。
笠岡湾から出土。時期は弥生時代後期。
もとは海底に沈んでいたとみられていて、海の神を沈めるために海中に投げ込むようなマツリに使われたと考えられているそうです。


平形銅剣

本来は武器だが……武器というよりは、マツリの道具として使われた。平形なのはそれゆえだそうです。
写真は由加山で発見されたもの。海や海上交通に関わるマツリに用いられた後、埋納されたと考えられているそうです。


・鬼ノ城

7世紀後半、中央政権の主導の元に、軍事拠点として整備されたと考えられている。
詳しくは、吉備津神社編も参考にしてください。


鍛冶関連遺物

やっぱり、鬼ノ城では工房があったようですね。
工房内には鉄を熱して加工するための鍛冶炉があり、送風装置(ふいご)の先に取り付けた土製品(羽口)や、鉄器の研磨に用いる砥石、炉の底で固まった鉄のかすなどが出土したそうです。
城内で使用する鉄器の製作や修理・再生がここで行われていたことを示しているそうです。

これ以外にも、はにわや土器、銅鐸などたくさん展示されていますが。
ま、今回は刀剣祭なので、武器関係のものだけ、書いております。
もちろん日本刀もかっこいいんですが、古代の剣もそれはそれで結構かっこいいんですよね。まっすぐの太い剣……あれ? わたし、太い剣が好きなんですかね??
でも、弥生時代とか古墳時代とかから軍事国家として武装したり、鉄を生産して剣を作ったりしていたのが、平安時代古備前の刀匠たちへ受け継がれていったとしたら、もうそれだけで滴るんですが(涎が)

と、一通り堪能して、岡山県立博物館を後にしたのでした。




さてさて。
青春18きっぷを使用し、今度は福山へやってきました。
なぜ福山かといいますと……なんと、ふくやま美術館所蔵の「小松コレクション」が、臨時で展示されるとのこと。
本来は展示する予定はなかったそうなのですが、例のブーム*1 に押されて、急遽展示されることが決まったそうです。



中国新聞にも掲載されて、Twitterではにわかに盛り上がりました。

というわけで。帰り道でもありますので、ついでに見ていくことにしました。*2
2015年12月9日〜2016年1月17日までの展示*3 ですので、行かれる方は以下参考にしてみてくださいませ。

福山駅の北口、目の前の道を左に曲がり、徒歩5分くらいでしょうか。
城に上がる階段がありますが、城の方には行かず、ひたすら高架橋の横の道を歩きます。


ここが入口です。


謎のはにわ*4 もあります……

入口の看板を曲がってすぐは別の博物館(県立歴史博物館)ですので、お間違えなく。でかでかと名前が書いてあるのでわかるとは思いますけど……
草戸千軒遺跡に興味がおありでしたら、帰りに立ち寄ってみても良いかと思います。


ここがふくやま美術館だ!

入館料は300円です。
チケットを買うと、ふくやま書道美術館の観覧券と、ほかの美術館の割引チケットがもらえました。
私は結局行きませんでしたが、さっきの県立博物館といい、周辺にはいくつか博物館や美術館がありますので、はしごしてください、ってことなんでしょうね……

展示室は2Fです。
平日金曜日の15時とはいえ、中は誰もいませんでした……おいおい、貸切りですかよ。
入ってすぐは、絵画の展示でした。
しばらく絵を見ながら進んでいくと、彫刻の奥に、ガラスケースがあり、刀剣が3振、展示されていました。

今回の展示は以下の通り。左から以下の並びで展示されてます。

  • 正恒 国宝 太刀 銘正恒  梨子地桐紋蒔絵糸巻太刀拵
  • 国光 国宝 短刀 銘国光 (名物 会津新籐五)
  • 左文字 国宝 太刀 銘筑州住左 (江雪左文字)  国宝 黒漆研出鮫鞘打刀拵


九州国立博物館の写真ですが、江雪左文字

小松コレクションとはなんぞやと思っていたのですが。
株式会社小松安弘興産所蔵となっているもので、食品トレー容器を製造販売している「エフピコ」の創業者、小松安弘氏が収集した名品のことらしい。
ほはー。知ってる、エフピコ。昔、住んでた近所に工場あったし。
今回の3振以外にも、たくさんの国宝や重要文化財指定の刀剣を所蔵しているそうです。

今回の3振の中で、一番気に入ったのは意外にも短刀「会津新籐五」。
相模の刀工、新籐五国光の作で、彼の最高傑作ともいわれているそうです。
新籐五国光は鎌倉時代中期に鎌倉に住んだ刀工で、相州鍛冶の祖と呼ばれている。直刃を得意としていた。地と刃の沸が強い新籐五国光の作風は、行光を経て正宗によって完成し、相州伝と呼ばれるに至った……とあります。
この会津新籐五は、ほかの刀剣とは違ったマットな質感(に見える)ところがとっても気に入りました。
新籐五国光は独特な作り方をしているらしいのですが。他の刀剣はどうなんだろう……?

江雪左文字は、がっしりとした印象でした。
拵も展示してありましたが、鮫肌がとてもきれいでした。

刀剣展示のところにも誰もいなくて、見放題ではあったんですが……
監視員のおねーさんがじっとこちらを見ていた(ような気がする……自意識過剰)ので……落ち着かなかったです(笑)

その後、駅前をぶらぶらして、帰りました。
なんか歩いてて思ったんですけど……福山駅前って、こんな寂しかったっけ……?
以前仕事で行ったショッピングセンターはつぶれたままお店が入ってないし……アニメイトがあるビルも1Fと上層部のカラオケ店しかなかったし……
まあ、西側よりも駅周辺の方が栄えてるのかもしれないですけどね。

以上。
おわりっ。

もし余力があれば、へし切長谷部日本号(本歌)も見に行きたい……
あと、「備前刀剣王国」は絶対見に行く!!
来年も、刀剣修学旅行は続きます。



ŒoŒ§’lƒ}ƒbƒv

*1:刀剣女子って、流行語大賞にノミネートされたそうですね……おそるべし、刀剣乱舞

*2:ちなみに、岡山→福山は片道970円ですので、普通に行くなら青春18きっぷを使う必要はありません。私はこの後家まで帰るからね……

*3:ふくやま美術館冬季所蔵品展「野田弘志 細密なる挿絵原画の世界」前期期間中の、常設展示室内展示。

*4:花を持つ童女