017-4_岡山県/備前刀剣王国☆その1 さとりかな、全長12km徒歩で博物館行脚する(日帰り)
冬の刀剣祭、絶好調です!
どうも、さとりです。
前回は福岡県は福岡市博物館へ、黒田組をおいかけてひとりきゃっきゃな旅をしてきたわけですが。
(日本号かっこいい! 日本号かっこいい! 日本号かっこいい!)*1
今回は再度岡山県!
備前福岡の市こと、備前長船刀剣博物館に「備前刀剣王国」の展示を見に行きました!
この「備前刀剣王国」は、「佐野美術館」「刀剣博物館」*2 との合同巡回展となっています。
刀剣博物館で開催されたときに本気で行きたかったんですが、あと佐野美術館に移ったときも行きたかったんですが、結局東京&静岡では、交通費の工面ができず……でも最終的に岡山にも来てくれて、ぎり行ける場所で展示が開催されて、ホントうれしかったです。
前後期で展示が入れ替わる*3 のですが、今回は前期の見学です。
と、いうわけで。
さっそく、朝7時の各駅停車の電車に乗り、岡山県へ向かいます。3時間半かかりますよ……えっちらおっちら。
そして。
今回は車ではなく、長船までJRの旅なので、初赤穂線です!!
岡山駅からは30分ちょいくらいでしょうか。
長船駅にやってきました!
こんだけ長船に来てるのに、なにげに長船駅は初めてです。
毎回車だからねぇ……
そして。
駅前のタクシーのおっちゃんがじろじろこちらを見てくるので怖すぎて……小心者は歩いていくことにしました。
長船駅から刀剣博物館までは約3.5kmなので、40分くらいみとけば着くだろ……
なにしろ、初めてじゃないからね*4
しかも、私にはGoogle先生もついている。
というわけで。
歩きました。3.5km。まだ元気です。
今回の展示は2階からということで、さっそく階段で2階へ……
きつい……(自業自得)
今回の展示は、備前国の刀剣産地としての歴史を、作られた刀剣を元にたどるという趣旨です。
古備前派、一文字派、長船派……という感じで、2階から歴史の古い順に展示してあるとのことです。
一番最初は、古備前派の刀剣の展示でした。
古備前派は、平安時代後期の源平合戦によく用いられたそうです。
友成作の太刀が一発目にどーんと展示されてて、圧倒されます。
古備前派の展示の中で、すごい長いんですよ、これだけ。
しかも、直刃なんですよ。シンプルな作りでとってもかっこいいです。
古備前は直刃が多いのかなー。
展示されてたのは直刃が多いので……
後期には3振増えるみたいなので、確認してみたいところ。
あと、印象的なのは、前期展示のみの「太刀 銘 景則」。
こちらは拵と尻鞘が同時に展示されているのですが。
尻鞘……聞いたことない名前ですよね。
トラのしっぽみたいなもふもふがついた鞘です。本気で毛皮がついてます。
学芸員さんの説明によると、こちらは「カバー的に使う鞘」なのだそうで。
狩りに行くときに、拵を通常通りそのままで狩りに行くと、傷がついたりボロボロになったりしちゃうので……
おされ度をアピールしつつ、カバー的に使って保護するんだそうです。
こちらは伊達家伝来らしく……さすがはかっこよく決めたい伊達家。どう見てもにゃーんのしっぽにしか見えませんありがとうございました(しーん)
続いては、一文字派です。
一文字派は、後鳥羽院を巡る政変の渦に端を発し、刀剣史上もっとも絢爛豪華な作風を生んだ……そうです。*5
それぞれの住地によって、福岡一文字派、片山一文字派、吉岡一文字派、岩戸一文字派、と分類されているようです。
主に鎌倉時代中期の作風が豪壮なのだそうです。
……なのですが。
残念ながら、「福岡一文字」(太刀)は、この時は展示がありませんでした。
後期の展示なんだそうです。くっ……*6
さて。それはそれですが。
一番印象に残ったのは、「銘 吉用」「拵 細太刀拵」ですね。
一文字関係ないじゃんって感想で申し訳ないのですが。
拵が毛利家の家紋だらけなんだもん……毛利主張しすぎやで!!
さてさて。
3番目は、長船派の鎌倉時代編です。
ここの目玉は、やっぱり長船派の祖、光忠さんの太刀が見られることですね。
佐竹家伝来の、銘 光忠の太刀です。
前後期通じて展示されてますので、ぜひぜひ見てください。オススメです。
私から見たら、光忠作のどっしりした感が好きなんですけど。
プロの目から見たら、これ、どっしりしてる感なんだろうか??
というのが、今一番不安なことです……
誰か……刀剣の見方を教えてくれ……
あとね、ここの何がいいって、光忠→長光→景光→真長→近景の長船派初期の刀が並んでて、流れやそれぞれの違いがわかるってことなんですよ。
長光は光忠の子供なんだけど、光忠とはちょっと違う感じなんです。
でも一部光忠の作風を模した物もあったりして……
という感じの説明文があるんですが、それが目の前でわかるのはすごいと思う。
そして、1階に降ります。
ここらへんで、3.5kmの呪いが現れ始めます。*7
が。
がんばって、1階の展示室も行きます。
1階は、長船派の南北朝時代と、室町時代、そして小反り物の展示です。
正直、よろよろしてるのと、午後からの時間が迫っていたので、あまりじっくりは見てないのですが……
「長義派」というのが、相州物の影響を受けた作風を生み出したり。長船の伝統に流行を取り入れたりしたそうです。
まあ、この頃になると、大量生産に重きを置いているらしいので。
同じ銘が入っていても、実際はその人が作ったわけではなく、門人が名前を使って作ったりしていたそうです。
というわけで。
予定的に1時間しかいられなかったため。
1階はほぼ駆け足見学になってしまいました……残念。
さて。
ちょっと休憩して、博物館から、香登駅に向かいます。
もちろん、歩きで!(死)
こちらは長船駅よりは近く、約2kmくらいです。
でも、途中2号線を歩くから……歩道あるのかなぁ……心配。*8
途中コンビニで買ったパンを食べつつ、岡山方面に戻ります。
西川原就実駅、というのは、いつの間にかできてた新駅なんですが……
すぐそばに大学があるので、ここの大学用なのかも。
なぜ、この駅なのかと言いますと……
岡山県立博物館に、直線約1kmでたどり着けるからです。
もちろん、徒歩でな!!(死)
高島駅からなら、いつも乗るバスの逆方向がでているみたいなんですが。
それに気付いたのは高島駅を出たあとっていう……(しーん)
ええ、もちろん、歩きましたとも。
やってきました、岡山県立博物館!(1ヶ月ぶり3回目)
今回は、「鳥取藩池田家三十二万石」という展示があり、池田光仲奉納飾太刀が展示されているのです。
さらに、林原美術館と連携展示があり、今回はそちらも行きます。
(なので、長船が1時間しかいれなかった)
まあでも、正直、岡山藩が池田家なのも、前回岡山城で知ったくらいだからな……正直この辺は守備範囲外です。
ふーん……鳥取藩の池田家と岡山藩の池田家は、祖先が同じ人なのね……で、いろいろあって、交代したこともあったのね……
みたいな、そんな歴史を見てきました。
個人的に萌えたのは、古地図でした。
伯耆と因幡は、2国を池田家が治めていたので、2国分の地図がありましたよ。
奉納飾太刀は、鳥取藩の刀工、藤原忠国が作ったものでした。
拵がすごく派手だよね……ビーズが巻き付けられてるんだけど、あれ、古代から作り方同じなのかな……ようわからん。
そして。
歩いて(死)林原美術館へ移動しました。
Google先生にだまされて、美術館の周りを1周しました……(死)
こちらは連携企画で、「戦陣に舞う揚羽蝶-池田家草創期-」をやっています。
信長の乳母が、池田恒興の母だったらしく。
池田恒興が幼い頃に、信長からもらった揚羽蝶の服を信長の父から「似合うよ」と言われたのをきっかけに、家紋が揚羽蝶になったそうです。
で、今回はその「揚羽蝶」に関するものの展示や、草創期の歴史巻物なんかがメインで展示されています。
こちらには、特別公開で、「太刀 銘 備前国長船住左近将監長光造(鎌倉時代)」が展示されています。
1月13日まで、岡山駅地下のショーウインドウに、でっかいポスターの展示があったやつですね。
Twitterでもまわってたやつです。結構好評だったので、みたいと思ってました。
鎌倉時代中期の、長船派『長光』の作です。
刃文は丁子の実のような形の焼きが細かくあらわされており、長光の特徴がよく出ている、そうです。
江戸時代、長光の刀は『長く光る』の名前から、縁起物として、将軍家や大名家の贈答品として好まれたのだそう。
が。
正直、足がガクガクでな。
無理なんかするもんじゃなか。
「うん……刀……」
で終わってしまった……
ちょっとつめこみ過ぎちゃいました……
反省。
でも。
私は懲りてません! 3月の後期展示にも行きますよ!!
図録を買ってから見ると良いそうなので。次回は図録も買います!
あと、長船駅から歩いてたときに気付いたんですけど。
途中に、「福岡の市」があるんですよね。
なので、次回は博物館に行きつつ、福岡の方にも行ってみたい……
ということは。
次回もまた、徒歩の旅になりそうなんですけどね……*9
そして。
林原美術館から、岡山天満屋まで歩いて、帰ったのでした……
今住んでる家は、駅から家まで片道約1kmあるので、往復2km、合計したら、約12kmになったのでした……
翌日どころか、月曜日も軽傷マークがついていたさとりなのでした……
さとりさん、あなたもう若くないんだから……無茶な行程はおやめなさい……